以前といっても、かれこれ25年以上前の話になるが、、NHK仙台のFM番組に「FMリクエストアワー」という番組があった。さとう宗幸さんはこの番組でDJをしていて、ここから青葉城恋歌をヒットさせたと言っても過言ではない。
八木山合奏団の活動がピークだった80年代に、時々この番組にはゲストで出させてもらった。僕ら以外にも東北で活躍しているミュージシャンが良く出ていた。
そんななつかしの番組が、当時を思い出しながら1回だけ復活させようということで企画された。で、僕らに声が掛かったというわけだ。
バンドで演奏するのは二年ぶりだった。練習は本番の数日前に1度スタジオで練習しただけだったが、別に不安はなかった。
場所はNHK仙台の1スタ。ここは大きいスタジオだ。
NHKの建物に入るのには時代の流れか、セキュリティ対策というものを感じた。昔は楽に入れたし、駐車するにもそれほど神経質ではなかったのだが。
スタジオに入ると、ピーンと張り詰めた雰囲気に触れた。とにかく台本通り、リハーサルはきっちりやる。ふざけた雰囲気は全くない。スタッフを始め関係者は皆真剣だった。一通り流して本番を待った。
本番になったらスタジオはお客さんで満員。やる気がみなぎる。宗さんに紹介され、ドラムのカウントで「東京から410キロ」が始まった。やはりバンドだと楽だ。言葉は悪いが楽=楽しい。各自の分担がはっきりしている。分業化だ。ソロやR&Kではこうは行かない。みんなで演奏するというバンドのよさを久しぶりに味わった。東京から410キロの後はノスタルジーを演奏した。勝美さんは体調不良で不参加。今回は4人での参加だった。
でもなあ、淡々としたバンドだなあ・・・。そんな思いがぬぐえなかった。そうだよなあ、メンバーとはもうたまーにしか演奏しないんだものなあ。無理もないな。
演奏が終ると、僕は急いでNHKを後にした。その夜は気仙沼で音楽仕事があった。ソロでも歌った。
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