Solo Live
       Back           2007.4.21     古川 楽屋(Hide's Bar)いそいちライブ                 

 
 Hide's Barでやるのは5回目になる。
 今回は関西のブルースシンガー「いそいち」さんとのライブだった。お父さんが51歳のときの子供で、それで名前が五十一(いそいち)と付けられたいう。お父さんエライ、頑張ったんだなあ。
 白髪混じりの長髪と髭面は、もう見るからにごっついブルースマンという感じがした。

 店に着いたら、ステージにはすでにドブロギターを始め、マーチンのオールド、ギブソンのオールドなどが4本ずらっと並んでいた。こんなにギターを並べる人にお目にかかることはそうそうない。足元にミキサーを置いて、ちゃんと自分で音はコントロールしていた。長年やってきて築き上げたスタイルだと思う。期待が持てそうだった。

 最初はマスターの高橋さんの歌から始まった。友人のギターリストを伴って2曲歌った。相変わらず、歌に対する熱い思いが伝わってくる。今回は新曲も披露してくれた。
 高橋さんには店でライブがある度に声をかけてもらっている。本当に感謝している。

 続いて僕の番。
 今回は割とメッセージ性の強い曲を選んだ。一曲目は「太陽の歌」、そして「我が愛しの故郷」、「みちのくの空」、新曲「to be free」、「LOOP」、「カワサキ」、「祈り」の7曲を歌った。
 ここでのライブはだいぶやり慣れてきたが、やはり一曲目と新曲を歌うときは緊張する。でもきちっと曲は伝わったと思う。何よりのってやれたし、やっていて楽しかった。「カワサキ」もだいぶ板についてきたぞ。ギター1本のLOOPは歌っていると、そのシーンが目に浮かんできた。

 わざわざ山形から聞きにくれたUさんに帰り際、「LOOPが聞けてよかった、交通費をかけて来ても全然惜しくなかった」という嬉しい言葉をもらった。ミュージシャンにとってこれ以上の言葉はない・・・。

 さて「いそいち」さんのステージが始まった。気がついたが、サウスポーだった。おお、マッカートニーと同じだ。
 ギューン!とオープンチューニングされたオールドマーチンからブルージーでちょっとけだるいスライドの音で始まった。 うー、いい音だ!何よりギターが歌っている!歌も渋い。
 いやー、圧巻のステージだった。
 
 確かにライクーダーが好きなのはわかるが、ちゃんと自分の世界を持っているアーティストだ。素晴らしかった。
 関西人だがそれほどは喋らない。でも、たまに話すと関西人独特の面白さがある。
 
 打ち上げで彼が何気なく、「ツアーのプロだと思っている」と語っていたが、納得の言葉だった。見た目より性格は真面目で(失礼)、人間としてもしっかりとした印象を受けた。

 ただライブ中に、いつも来てくれる常連のお客さんが、感激しすぎてか勝手にいろいろと喋ってのりのりになってしまった。せっかくの場の流れを止めたのは残念だった。飲み過ぎのようだった。まあ、こういうこともあるんだなあ。

 自分はこれまで、アコースティックギターに関しては生音をマイクで拾う方法(エアー)でしばらくはやろうと決めていた。しかし昨日は、「ああ・・ちょっとこだわり過ぎた、ラインでもいいんだし、得意のエレキを持って、ソロでバンバンと弾いてもいいんだ」と心からそう思った。
 ある意味目からうろこだった。

 ギターのアドリブは大好きだ。でも、ソロでは無理だろうとあきらめていた。いや、やり方次第で出来るのだ。それは立派な芸になるはずだ。出来るだけ曲のイメージを大切にして、それに合った音作り、楽器のチョイスをもっと試してみよう。そうすれば、もっともっといいライブが出来ると思う。
 やはり探究心は捨ててはならない。「これでいい!」は、その時点での話、決定ではないのだ。

 大きなヒントをもらったライブだった。感謝したい!
 
 
 

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