R&K Live Report 2006.5.13                      BACK                                                                              

R&K ギャラリー漆小屋 「はるうらら」

鳴子在住で、漆塗り一筋で活躍しておられる佐藤健夫さんの「ギャラーリー漆小屋」でライブをしてきた。現在は漆絵というものも画いており、いろいろと漆についての可能性も追求している。気取ったところなどなく、とても気さくな方だ。

ここは180年前の民家を利用して建てられたもので、立派な漆塗りの柱といい囲炉裏といいかなり趣がある。
また息子さんも漆職人である。一家で住んでおられ、家族みんなでギャラリーを盛りたてている。

6年ほど前に一度ここで、山元町在住のクラシックギタリストの富田富雄さんとライブをしている。確かジプシーキングをやった記憶がある。
ただし、建物はその頃鳴子駅近くにあった。ここへは平成12年に越してきたという。

今回は毎年やっているイベント「はるうらら」の中で歌ってきた。これはイベント参加者に山に入ってもらい、採れたての山菜と手打ち蕎麦で舌鼓を打って楽しんでもらって、そして最後に僕らのライブを聞いてもらおうという趣向だった。
僕らは山菜採りには参加できなかったが、会場に着いたら庭先の軽トラックには採れたてのタラノメ、コシアブラ、コゴミが積んであった。
コシアブラは名前を聞いたことがあったが、どんなものか理解していなかった。認識はその程度・・。

だいぶ前の話になるが、別の仕事で鳴子へは毎年のように来ていた。山菜が仙台近郊の山より、はるかに楽に採れた。タラノメとワラビの取れる場所を知っていて、何年か続けてそこで採った記憶がある。

当日、お客さんは30人ほどいただろうか。皆さん会の趣旨に賛同しているので、楽しい食事の後はもう「聞くぞ」というモードに入っていた。当日は気温が10度以下で寒かったが、会場の薪ストーブの暖さが気持ちよかった。
それに会場自体の音の響きが自然で、素の歌とギターは心地よく響いたのではないかと思う。そういう中なのでトークも自然にはずみ、なかなかいいライブが出来たと思う。

最後に、東京フィルハーモニーオーケストラ出身の池田敏美さんとコラボレーションができたのも予定外の楽しさだった。初顔合わせながら即興で「ふるさと」、「花」にバイオリンを加え、会場の皆で合唱した。
池田さんの弾くバイオリンは力強かった。今はオーケストラを定年退職し、ご主人と隣町に住んでいるという。年間150本くらいライブをしているらしい。凄い。
弾いていたバイオリンは、あのストラデイバリウスの兄弟が作ったという代物で、値段は言わなかったが家を一軒は買えるという。
その覚悟、半端ではない。

最後にテネシーワルツを歌ったが、バイオリンの音がもろにカントリーの雰囲気を醸し出していた。失恋の歌が逆に楽しく聞こえた。音がひとつ加わるとだいぶ変わるなあ。
コラボはワクワクドキドキ感があり本当に楽しい。しかしそれなりの腕がないと苦しいが・・。

土産に頂いた黒い漆の器は、上品で凛とした美しさがあった。

いい一日だった。