R&K Live Report 2005.5.3(2)                      BACK                                                                              

「R&K 映画「メタセコイヤの木の下で」試写会・ミニコンサート」


 だいぶ前からお付き合いをさせて頂いている社会福祉法人「ありのまま舎」が、今回とてもいい映画を製作した。その映画の試写会で演奏した。
 縁を話せば長くなるが、難病である筋ジストロフィーの患者さんに、七ヶ浜出身の山田三兄弟がいた。兄弟揃って同じ病にかかり、既に2人は他界している。その中の次男である山田秀人さんが詩人だった。たくさんの素晴らしい詩を書き残し、詩集も出版している。八木山合奏団の時に彼の詩に何曲か曲をつけたのがそもそものきっかけだった。30年近くもさかのぼる話だ。残念ながら、秀人さんは1983年に亡くなっている。
 今は末っ子の山田富也さんががんばって、福祉施設「ありのまま舎」を設立し、筋ジストロフィーを含めた難病患者の世間への理解に腐心している。これまで3本映画を製作(そのうち2本は当日上映した)し、以前はかなり精力的に講演なども行なっていた。また本などの出版物もたくさん出している。

 今回の映画は恋愛映画だ。純愛映画といってもいいと思う。主人公のモデルは、山田秀人さんだ。
 そこに1人の青年がいた。短い人生ではあったが、確かに生きた。僕はそう受け取った。
 映画を見た人でないと分からない話だが、個人的には、相手の女性が子供ができたことで急に身を引き、1人で育てるというストーリーではなく、家族3人で力を合わせて生きるという生き方をして欲しかった。身を引くというのも十分理解できるが、やはり最後まで共に生きて欲しかったなあ。と思う・・。
 俳優陣もいいと思う。何より福祉映画にありがちな、同情や哀れみのたぐいは全く感じない。素人目から見ても、完成度は高いと思う。

 しかし残念なことに、一般の劇場で公開する予定はまだないという。地道に関係機関や学校などの教育関係で上映していくのだろうが、もったいなさを感じる。是非一度は見て欲しい映画だ。

会場の福祉プラザにお客さんは80人くらいいただろうか。僕らが出るのを知ってて、わざわざ会場に足を運んできてくれた方々もいた。そういう人の前で演奏できるのは、とても嬉しいことだ。
 この日は、山田秀人さんの詩に僕らが曲をつけたものを中心に歌った。詩に託した彼のさまざまな思いが、僕らの歌でお客に届いただろうか・・。

ありのままの舎の関係者の皆さん、特に白江さん、中村さん、お世話になりました。また、会場に足を運んでいただいた方々、心から感謝しております。そして、この映画が一人でも多くの人に見てもらえるよう祈ります。